テキストサイズ

甘く染めて

第10章 №9



 「……………………」


 莉緒と春夜の喘ぎ声が、少し聞こえた。


 やっと、自分の気持ちに気づけたのに。


 「なんで……ぇ…」


 「………………っ」


 「なんで、先生、泣いてるのぉっ…」


 原を見ると、原の頬には涙が伝っていた。

 (何で、原泣いて……………)


 俺の頬に原の手がそっと触れて、


 「先生、先生…っ」


 そう言いながら俺の頬にキスを落とした。


 (お、れ、泣いてる…?)


 自分の頬にそっと手を触れると、手が濡れる感覚がした。


 (ぁあ、俺、泣いてるんだ)


 「先生… 泣かないでぇ…っうう…」


 原のあごから、原の涙が落ちてきて俺の頬に落ちていった。


 俺も原の頬に手を沿え、

 原の涙にキスをした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ