
甘く染めて
第10章 №9
――――――…
「先生、先生!!!」
ハッ
「あ、ごめ、何?」
春夜のこと考えてたらついボーーッとしていた。
春夜はああ見えて、気は強いけど、寂しがりやで、優しい子。
「何って…あの、莉緒が…」
俺の耳元でこそこそ原が言った言葉に唖然してしまった。
『春夜先生と莉緒がヤッてました… 莉緒すっごい気持ちよさそうで、春夜先生も愛しそうな顔で莉緒のこと見てました。』
『す、好きって、言い合いながら…』
莉緒が? 春夜と…
いや、俺が驚いたのは、そっちじゃない。
『好き』って、
春夜に言ってたって…
俺にくれた好きは? どこにいった?
いや、原の聞き間違いかもしれない、
莉緒のことだから俺と春夜を見間違えて……
