
甘く染めて
第10章 №9
次の日。
「あ、」
先生とばったり廊下で会った。
しかもトイレ後に! 恥ずかしい、何か、恥ずかしい。
「あの、せんせ…」
「………………………」
「え…」
先生は私を一切見ずに私の前を通って行ってしまった。
私、何か悪いことした?
先生に何も言ってないし、何もしてなーーー
「ーーーっあ…」
ドクンッと心臓が言うのが体に伝わった。
も、しかして、昨日、春夜先生とシてたこと知ってるんじゃ…
「先生っ、待って!」
先生の後を追いかけて、先生の服を掴んだ。
「何?」
先生の声はいままで聞いた中で一番怖くて。
「あの…っ、来てください」
「いつ?どこに」
「今日の、放課後… 先生達の部屋に…」
女子生徒の視線が痛かったけど、今はそんなこと気にならない。
「…わかった」
ボソッと先生は呟くと、私の手を払いのけ行ってしまった。
