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甘く染めて

第10章 №9



 教室に戻って自分の席に着いた。


 「……っ」


 先生、どう思ったのかな。

 私と話すの嫌だったんじゃないかな。

 私のこと、嫌いになったかな。

 先生、………………。


 頭の中は先生のことばっかり。


 私の机には、涙がぽたぽたと落ちていった。


 「わあっ、び、くり、させないでぇ…」


 前を見ると翔太が私の顔をジッと見ていた、というか、まず、翔太が居ることにビックリした。


 「何で泣いてるの」


 「な、いてないよ、ほら、えへーーっ…」

 一生懸命、作り笑いをしたけど翔太に頬をぺちっと叩かれて、


 「しょ、ぅたあ…ごめ…んなさい、ごめんなさい…っ」


 翔太のぬくもりが手をつたって伝わってきて、私は思いっきり泣いてしまった。

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