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兎ノ夢

第1章 この光と闇

いつまでも続く只々、永いだけの道
終わりは見えない、あるのかすら知らない
起伏も、景色も、変わらない道

なんと退屈なことか。

なんの生産性もないことの繰り返し
たまの遊戯もくだらなく過ぎて行く
辺りは仄暗く、薄く射し込む光が遠かった

わたしは確かにここにいる。

声に出ない言葉がもどかしい
存在価値なんてなくてもいい
ただ、ただ、光が欲しかった


やがて強く射し込む光は、わたしを照らし、呑み込んでいく
そこには惰性も劣等もない
あるものは、光。目も眩むような光だった

ああ、なんて愚かなことか。
わたしは確かにここにいた。
道は終わったのだ。

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