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兎ノ夢

第2章 そら

君の目にあるそらを見ていた。
時に曇り、時に雨が降り、それでも君のそらは澄んでいた。
ずっと見ていたいと思った。
そのなかに居続けたいと願った。

何をすれば叶う?

君に与えられてばかりのぼくは、未だに一歩を踏み出せないでいる。

失うのがこわい?

そんなんじゃない。

嫌われるのがこわい?

そんな生易しいものじゃない。

君のそらもいつかは朽ちて
そこに居続けるぼくは見たくない。
ぼくはずっと、あおいあおい、君のそらのなかに居たいんだ。
そうじゃないと意味がない。
そうじゃないと価値がない。

ああ、なんてきれいなあおだろう。

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