
シュールな関係
第10章 裏切りの代償って?
「それと昨日の晩に
一之瀬さんが家に来たから
『姉ちゃんは一之瀬さんに
殺されるから高跳で帰らない』
って伝えたから
じゃないと昨日は家の前から
帰らなかったと思うよ
俺なりに一之瀬さんから
姉ちゃんを守ったんだせ」
「えぇぇぇっ~~~!?
一之瀬さんが家に来たの?」
まっすぐ帰らなくて良かったぁ~
よくあの般若の一之瀬さんに
言えたわね!
愛情たっぷりドヤ顔してる晴人
だけど今わたしを究極に
地獄の谷底に落としているって
分かっているの!?
「姉ちゃん急がないと出勤の
時間じゃない?
昼用にサンドイッチ作ったから
持って行ってな」
「ほんとだわ ありがとう晴人
急がなくっちゃ 遅刻する!!」
ああぁぁぁっ~!!!
今日は何としてでも一之瀬さんに
合わないようにしないと。
そして勤務後にブティックに
服の返品にも行かないと・・・
雨は上がったものの 空には
わたしの心のように
ドンヨリとした厚い雲が立ち
込めていた。
