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シュールな関係

第16章 動いた関係

外の大粒の雨は止むことを

知らないように激しい音立てて

車を叩きつける。



景色も分厚い雨で視界すら

遮られ、車の窓には不安そうに

している俺が…映っている。






奈緒を解放した方が…

コイツにとっては幸せだろうか


・・・考える





俺は奈緒の事を、どれだけ

好きなのだろうか?


・・・考える



友人として…後輩として…

恋人として…


俺の心には

どう映っているんだろう



・・・考える


いや 悩むってことは…

手放したくないってことだよな?




俺の答えはもう見えている。




だがコイツは俺の事を

どう思っているのだろうか?



俺には 先輩以上・・恋人未満っ

て言ってたが


中途半端過ぎて分からねぇよな




俺とはキッパリ縁を切るって

言ったよな?



本当に俺から離れようと

しているのか?
 

俺の気持ちが分かったのにか?




ギュッとキツく抱き締め

奈緒の青白い顔を

温めるように頬と頬を重ね合わせ

ながら目を瞑る。





病弱だった



若菜と重なる・・・



薄く…もろく…

直ぐに壊れてしまいそうな

ガラスのように繊細な若菜と…





今の奈緒の姿が 若菜と…重なる






俺の顔が窓に

歪んで映っているに違いねぇ








クソッ


コイツは若菜じゃねえのに・・・



何で重なってしまうんだーーー







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