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シュールな関係

第19章 落とし穴

パウダールームの一角で

わたしはシミ取りをしている…


「もー

シミ…取れないじゃないの!!


どうしてくださるのかしら?」






「ごめんなさい 


白いドレスだから…どうしても

目立ってしまうわね」



ホテルで貰ったしみ抜きで

直ぐに拭いたけれど

どうしても

薄いシミまでは取れきれない…




ワザとぶつかられたにしろ 

わたしのクラスから

飛び散ったのだから…仕方がない。



だけど…山本さんが

用意してくれたわたしの淡い

パープルのドレスーーー…



濃いワインの色でまばらに

染められている―――…。



わたしも早く拭きたいのに…

そう思いながらも…

白いドレスを優先する。




だけど…本人は焦ることもなく…

自分で取る訳でもなく…

わたしを罵るだけ…



「あなたのせいでドレスを

着替えないと

いけなくてよ・・・」



あれ・・・?



オレンジのドレスがもう既に

ここに用意してるって…



何だか…おかしくない?



「麗華さま 災難ですわね…」

「本当に残念ですこと…」



それにわたし達が来た時は

二人だったのに

お嬢様…5人に…増えてない?


それもわたしの周りを囲んで

笑ってるし…




見物…?


野次馬…?


お仲間?




悪魔の仮面をかぶった

お嬢様集団でやつですか…。

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