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シュールな関係

第19章 落とし穴

「あなたみたいな庶民に

払えるかしら?」


「どうせドレスの値打ちすら

分からないでしょ?」


「身の程知らずの女って

いやね ふふふっ」



「一般人には払うの無理よ」



狙った獲物をいたぶるように

みんなで…わたしをコケにし…

笑いまくる。





「あなた…綺麗な髪してるわね」



瑠璃様が…

わたしの長い髪をなでるように

指でサラリと通す・・・





「そうですわ! 



髪をご自分でバッサリと

切ったら…許してあげますわ




ついでに…そのシミだらけの

ドレスの裾もご一緒に切って


しまったらいかがかしら?」



とびっきりの笑顔になり…

嬉しそうに囁くーー…。



それに賛同して…喜ぶ…令嬢達





ハサミまで用意して用意周到ね


陰険なサイテーな女!!




彼女のドレスって

オーダーメイドって言ったよね





わたしでは簡単に

払える額ではないくらい分かる



「晴人に手を出さないって…


約束してくれるなら…


服でも…髪でも切るわよ」




「本当にご自身で

お出来きになるのでしたらね」




わたしを挑発するように話す。




それならーーー

髪を切ればいいだけでしょ



「分かったわーーー…

 

髪を切れば…

ゆるしてくれるのよね?



よく見てなさい!!」


切れば…

切ればいいんでしょ?


そうしたらドレスを弁償しなくてもいい



わたしさえ・・

わたしさえ我慢したら…


一之瀬さんに迷惑は掛からない

晴人も守れる…


ドレスの支払いもしなくて…いい

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