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シュールな関係

第20章 現実の世界って…

わたし今すごく酷い格好だ



自慢だった髪は

肩からのザクザク切り…



綺麗なシルクのドレスもワインの

染みだらけ・・・




とっさに飛び出してエレベーター

に乗り込んでよかった



あんな無様な姿ーーー…

誰にも見せたくない



「あっ・・・バッグ忘れた」



わたしってバカだ。


ホテルのクラークに荷物を

預けたままだ。



お金もない・・・

携帯もない・・・

そしてコートすらない無様な

シースルのドレス姿




この場からは非常に浮いてる…


街ゆく人が不思議そうな目で

こちらを見ている。


確かに…変と思うよね…



ドレス薄く…肩もシースルーの

フリル程度…寒くて仕方ない!!




意識はちゃんとあるけど…

足が微妙にまだふらつく…



履き慣れてないヒールの痛みが

足を襲う……


「イタタ もう限界!」


道端でヒールを脱いで…歩くけど

ズキズキした痛みは簡単に

引かない・・



12月にも入ると街頭では

クリスマスのイルミネーションが

輝き…活気づいて楽しそうに

腕を組みながら歩くカップルや

しっとりと寄り添っている姿が

目に付く。




わたしって今----…

負のオーラ全開だわ・・・




バックミュージックは

ドナドナの気分だ。




『幸せわけてよ!!』



思わず叫びたくなる






ここから家まで歩いて…1時間…

はぁ~  この姿だし…


大通りに出て

タクシーを捕まえよう…


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