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シュールな関係

第21章 過去への清算

飛行機でも…会長が心苦しそうに

言ってたからてっきり…



「あら…

わたしは亡くなっている存在に

なっているの?

でも半分はその通りかもね」




少し驚いた表情をして話す

若菜さんは

わたしより3歳年上で…


ストレートの黒髪と言い…

色白なとこと…目鼻立ちも…

よく似ていて…思わず自分が

見ても姉妹にすら思えてしまう…




「山本さん…こちらのお方は?」


若菜さんに自己紹介をすませ…

会社の後輩だと説明し 



頭の中はパニクりながらも…

整理をしながら

彼女に…質問をした。





「あの…お伺いしたいのですが…



どうして一之瀬さんと

別れたのですか?」



「学生のときにね…



雅也さんのお母様に…あまりにも

身分の差があり…


彼には釣り合う決まった婚約者が

いると―――…  



わたしとの未来はないから

傍にいると彼の為にならないと

聞かされたの…



ただ一緒にいたかっただけなのに

それすらも迷惑だと言われ…


目の前が真っ暗になったわ




でも―――


わたしに移植が必要になると…


多額の治療費を出してくれて

一筋の希望を与えてくれたのも

雅也さまのお母様




だから…

どんな結果になろうと私から


雅也さんから身を引くと…


決めたの」


・・・と熱いカップを

両手で持ち…ゆっくりと

口に当てて…一口飲む…。

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