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紳士協定布いてます

第14章 恋愛観


--ダイさんは酷い。岡田さんの前だからって、いきなり繋いだ手を振り払わなくたっていいのに・・・。


和室に慶矩が居るとわかった途端、繋いでいた手を振り払われたことに遥暉は深く傷ついた。


父と智暉もこうしていたと聞いて少し嬉しくて、家族のぬくもりに浸っていた所を一気に冷水を浴びせられた気分だった。


丸山家の兄弟や養父母達がどれ程家族として愛してくれても、本当の両親の愛情を知っているダイが--羨ましい。


しかも長年思い続けた人の気持ちを手に入れ幸せそうなダイが・・・--妬ましい。


--ああ、こんな感情・・・厭だ。上出先輩、僕は--醜い。



遥暉は教室に荷物を置いて大講堂への渡り廊下から月陵高校の校舎を見て足を止めた。


「上出先輩・・・。」


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