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紳士協定布いてます

第16章 微かな動揺

「只今帰りました」


遥暉が玄関を開けるとすぐお手伝さんがでてきた。


「おかえりなさいませ、お着物鞄をお預かりしますね」

「ありがとう。墨汚れはしていないと思いますが、講堂が埃っぽかったのでかなり汚しました。ごめんなさい」

「いいえ、遥暉様はウチの孫娘なんかよりお綺麗に着られますから・・・」


長男聡がお手伝いさんとの会話に割って入った。


「おかえり、随分遅かったな。寄り道は関心しないぞ」


遥暉は兄を振り返る。


「今日は上出先輩ではありません」

「おいおい、何も上出君のせいとは言ってないだろう」

「・・・・」

「上出君が頑張っているのにお前はフラフラとして情けない」

「・・・?」


聡が上出を庇うのは珍しい。しかも「頑張っている」とは。


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