紳士協定布いてます
第16章 微かな動揺
扇慧が1時間後に御堂に迎えに来た時、遥暉は壁際でやけに姿勢よく胡坐で瞑想しているように見えた。
扇慧の知っている凛とした遥暉にみえる。
しばらく少し離れたところに胡坐をかき様子を見守る。
ひっきりなしに他の拝観客が入ってきて、皆如来さまを拝んだ後、帰路を振り向き壁際の遥暉を見つけギョッとした表情を浮かべる。
そして薄暗い壁際で瞑想をしている清廉な美少年をマジマジと見つめる。
遥暉が生身で瞑想中であることに気付くと、脇を過ぎる時に頭を下げ、来た時より静かに出て行った。
--不思議なお人柄ですなぁ
扇慧は遥暉が深く息を吐いたのをみて立ち上がった。
「遥暉さん、お迎えにあがりましたよ」
扇慧が声をかけると遥暉が長い睫毛を押し上げ瞳を開いた。
いつもの聡明で穏やかな表情を浮かべて微笑み、
「扇慧さん、ありがとうございました」
と深々と頭を下げた。
「なんの、眼福させていただきました」
扇慧もニコニコと頭を下げた。
扇慧の知っている凛とした遥暉にみえる。
しばらく少し離れたところに胡坐をかき様子を見守る。
ひっきりなしに他の拝観客が入ってきて、皆如来さまを拝んだ後、帰路を振り向き壁際の遥暉を見つけギョッとした表情を浮かべる。
そして薄暗い壁際で瞑想をしている清廉な美少年をマジマジと見つめる。
遥暉が生身で瞑想中であることに気付くと、脇を過ぎる時に頭を下げ、来た時より静かに出て行った。
--不思議なお人柄ですなぁ
扇慧は遥暉が深く息を吐いたのをみて立ち上がった。
「遥暉さん、お迎えにあがりましたよ」
扇慧が声をかけると遥暉が長い睫毛を押し上げ瞳を開いた。
いつもの聡明で穏やかな表情を浮かべて微笑み、
「扇慧さん、ありがとうございました」
と深々と頭を下げた。
「なんの、眼福させていただきました」
扇慧もニコニコと頭を下げた。