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紳士協定布いてます

第17章 憂悶

 昼休み

 遥暉の怒りを含んだ声が3年生教室の廊下に響いた。


「あと、5日しかないじゃないですか?!」

「ハルちゃん、落ち着けって。ここじゃなんだから・・・、そうだ美術準備室へいこうか」


 圭一が遥暉と泰弘の背中を押して特別棟へ足を向けた。


 美術準備室にはダイと慶矩が寛いでいたが、遥暉は構わず泰弘に詰め寄った。


「山口さんも岡田さんも知らないって言ったのに・・・。知ってたから、心配ないなんて・・・・」

「う・・ん・・・、ゴメン。上出君に口止めされていて」


泰弘は申し訳なさそうに遥暉に頭を下げる。


「皆知っていて僕だけ知らされていなかったってことですか?」


 遥暉はダイに視線を向ける。


「ぼ、僕は式典のことでテンパっていて、今朝慶矩君から聞いたばかりで・・・」

「上出が丸山には内緒にしているって聞いてたから・・・」


 慶矩も言い訳する。
俯いた遥暉の表情が分からないが、空気がスーと冷気を帯びたようにダイは感じた。



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