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紳士協定布いてます

第18章 誕生パーティー

「わぁ、タキシードなんて初めて着た」

「お前、そういう格好すると本当に王子様だな」

「僕、七五三みたいに見えない」

「首が少し苦しい」


 上出が窮屈そうに襟を引っ張ると遥暉がクスリと笑う。


「先輩は学生服の時もそういってますね」

「お前首が太いんじゃないか」

「一度に大量に空気が吸い込めるように気道が太いとか・・・」


 皆が上出をからかう。

 広い肩幅と長い手足に、一つボタンのフォーマル姿がセクシーだ。引き締まったウエストにカマーバンドが上出をよりストイックに印象付けている。


 遥暉は上出の背中を横目で見て頬を染めた。

昨晩、心地よい熱と言葉で遥暉を包み込んだ甘やかさの微塵もない。

このギャップを自分だけが知っている。




ーーああ、僕だけの先輩



クラリと眩暈を覚える。

 

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