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紳士協定布いてます

第18章 誕生パーティー

「告白したんですか?」


「いいや、彼女の視線が彰を追っていることに気が付いてね・・・。それに彼女が受験生になって、それっきりだ。

まさかお見合い相手が、嬉し恥ずかし初恋の憧れの君とは・・・驚いた」



 聡は少しおどけたように見せようとしたが、遥暉には苦しげで困っているように見えた。



「あの、兄さん。あれから10年もたっていることですし、お二人ともいい大人なんですから、少し本音を話し合ってみたらどうですか?」


「・・・・・・」


「女性を泣かせたままなのは、どうかと・・・」


「お前は口が上手いな。わかった」


「じゃ、紗季さんを呼んできますからここで待っていてください」


ホッとしたようにドアに向かった遥暉に聡が声を掛ける。


「お前も家の為に自分を偽らなければない事があるだろう。今日にしても、辛くないか?」

「辛くないと言えば嘘になるけど、大切な人が傍にいるから大丈夫ですよ」


毅然として答える遥暉を聡は呆けたように見つめた。

暫くしてハッとしたように訊いた。


「もしかして・・・お前の好きな子は広間にいるのか」

「・・・どうでしょうか、フフツ」


遥暉は妖艶に微笑むとドアに消えて行った。


「は、ははは。とんだ16歳だ。私もしっかりしなければな」

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