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紳士協定布いてます

第19章 憧れの残像

上出はじっと遥暉を見つめる。


「それから・・・熱が冷めても相手の幸せのために生きることが”愛”だと教えていただきました。
ー-一緒に夢見て、その道を一緒に歩みたいーーー」


遥暉が上出から視線を逸らさず、ハッキリとした口調で付け加える。


「そんな僕等の思いは恋愛や友情の先にあるそれだと・・・」


遥暉の言葉に静かに頷く上出。

それを見て扇慧は小さく呟いた。


「そうですか」


ーーー二人は分かっていてこの恋を始めたのか

想い人の幸せのために、沢山の辛い選択が待っていることを・・・。

ならば、なにも言うまい。


蔭山は反対しなかったのか? ーーー後悔は無いと?


扇慧は目頭が熱くなり、溢れそうな涙を唇を噛み締めこらえた。


「上出くん。困ったことがあったらいつでも相談に乗りますよって、遠慮無う連絡しなはれ」


ミドリが上出に振り向いてそういった後、

「とんでもないお人に惚れてしまって、苦労しまっせ。せいぜいお気張りやし」


と耳打ちした。


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