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紳士協定布いてます

第20章 ・・・らしくない理性

 6月下旬の昼下がりともなれば日当たりのよい美術室は温室と化す。

 クソ暑いと分かっていても、一つ年上の可愛い恋人との逢瀬を楽しみに今日も足早に階段を駆け上がる慶矩。


―――恋人といっても、まだキス止まり。

 噂程は多くない俺の恋愛経験の中でも、こんなに進展がないのは珍しい--ってか、初めてだ。

 丸山に一目ぼれした時に感じたトキメキさえ霞むほどの疼きと切なさを知った。

 抱きしめたい、
 キスしたい、
 もっと触れたい・・・

なんてことばかり考えて、四六時中頭から離れないなんてことも初めて。


 ダイとの付き合いは初めての経験が多い。


 焦らされることさえも、新鮮だ。



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