
妖狐×僕SS 短編集☆
第3章 心まで抱きしめて
「あれー?」
あれは...セラたん?
...まぁた、うずくまって。
悩みは溜め込んじゃダメだって言ってるのに〜。
そっと近づいてうずくまっている小さな背中を包み込む。一瞬、震えて、それから嗚咽が聞こえてきた。それはだんだん大きくなって、セラは残夏を振り向き、その胸で泣いた。
「...目、はらしちゃって〜。なんでこんなになる前にボクに話してくれないの?」
そう言いながらセラの背中をなでる。
昔から、そうだった。
一人でなやんで、一人でため込んで、一人で全部背負って。
「セラたん、お疲れ様。少し休みなよ」
もう少し甘えてよ。
ボクの存在意義がなくなっちゃうじゃない。
end
