デュラララ!! 短編集☆
第4章 全部わかるよ
風呂上り
何も考えないでボーっとしてると
外の雨音が聞こえてくる。
ひとり暮らしを初めて半年...、
いろんな人と出会った。
そのおかげで私の人生は
少しずつ変わってるのだろう。
そう思う。
たとえば
~~♪
《着信 折原 臨也》
この人とか
「もしもし?」
『やぁ久しぶり。元気してたー?』
いつもの軽い声が返ってくる。
最初は怖かったんだ、この人が。
「元気ですよ。臨也さんから電話って珍しいですね。何かありました?」
『君が何か言いたいことあるんじゃない?』
怖かった、全て見透かされている気がして。
「自意識過剰ですよ。今は特には何もありません。」
『そうかなぁ』
「そうですよ」
本当は
辛いんだ、毎日。
だから抱きしめて欲しい。
大丈夫だよ、って言って欲しい。
だけど、それは自己中だよね。
だから我慢してるのに。
「我慢はよくないと思うけどなぁ」
そんな声とともに
私は長い腕に抱きつかれた
「っ!! 臨也さんっ」
振り向くと臨也さんの顔
そこにはいつもの冷ややかな目ではなく
温かい目があった
「ほんと君って分かり易いよねぇ。声だけでバレバレだよ、人肌恋しいですー、って」
「っ! そ、そんなことないですよ!」
「あるんだなぁ、これが」
言ってることはいつも通りふざけてる
でも心が寄り添ってくれてる、っていうか
...心臓が近いからかな
「...なんで、分かっちゃうんですか。ホントは臨也さんには心配されたくないんですけど」
そう言うと
少し寂しそうな顔をして
臨也さんは言った
「そんなこと言わないでよ。...俺は知ってるよ、セラのことなら。全部ね」
腕に力がこもる。
ちょっとだけ苦しくて、でもすごく嬉しい。
ありがとう、臨也さん
腕の中で、私は眠りに落ちた
セラが辛かったらいつでも来るから。
何でもするから。
...心配くらいさせてよ
end.