
君の笑顔をーー
第43章 後輩くん。
図書室に入ると、静けさが漂っていた。
委員の子が残っているだけで、他には誰もいない。
椅子を引くと、教科書を開いて勉強を始めた。
静かな空間の中でする勉強はすごく捗る。
黙々と集中していた私は、話しかけられる声に気づかなかった。
『...の..あの..。』
肩をポンと叩かれ、振り返ると一人の男の子が立っていた。
「ん? あ..ゴメン。気づかなかった!」
可愛らしい笑みを浮かべる男の子。
ネームを見ると、1年生のようだ。
今日は、よく1年に話しかけられるな…
