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君がいたから-優輝ver.-

第2章 会話

沙彩ちゃんの話を頼りに沙彩ちゃんという人柄を憶測ではあるがなんとなく理解できたような気がする。

なんていうか、多分人が嫌いとかではなくて、逆に仲良くしたいのではないだろうか。
仲良くしたいがゆえに、オドオドしちゃって失敗・・みたいな?
ああ、なるほど。あれ、でもだとして・・
んんー・・わからないぞ。
だったらほかの人に話しかけてもよさげなのにな。
あかねとかさ。
もしかして、実は他に友達がいるとか?
後で聞いてみるか。


「優輝ぃ、なんか買っていこうよー」


不意に信号前であかねに声をかけられる。
前を歩いていたあかねと沙彩ちゃんに視線を戻すと、
あかねと沙彩ちゃんはニコニコと笑ったまま、俺に意見を求めている。

「なんかって・・あぁ、そうだね」

そういや、シュークリームも食べたかったし。
ちょうどいいか。ちょうどそこにコンビニあったしな。

「そうだなー。じゃあ、コンビニいくかー」

コンビニに寄って、俺は3つシュークリームを買った。あかねはといえば、俺のカゴにポイポイと食べたいものを入れていく。
おいおい、何してんだこいつは?

「何をしてるのかな、わんこ。」
「わん!」
「うるせえ!自分で払えよ!?」
「えー。」
「えーじゃない。」
「でもー、えー。」

沙彩ちゃんはそのやり取りの向こうで、クジ引きコーナーを見ている。
そこから動く気配すらない。

たしかあのクジって・・1000円以上のお買い上げで一回だったっけ。

「わかったよ。その代わり、カラオケはお前が出せよ。」
「え?そんなんでいいの?」
「うん。」

まぁ、確かに学割きいちゃうし、カラオケ代のが安い・・。2人分出してもまだ安い。
これ、2000円ちょいくらい入ってないか・・?
なんでこんなに・・。
雑誌まであるし。


「おい、俺はお前のなんなんだ」
「飼い主様!」
「黙れクソ犬。」
「きゃうーんwww」

まぁ、2000円くらい出せば、あのクジ2回引けるか。
そんな適当なノリでレジに出すと、店員もびっくりしている。

そりゃあそうだろうな。
学生がこんなに買ってれば。

しかしまぁ・・俺がバイトしてなかったらこんなことできないな。
バイトさまさまだな、本当に。

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