テキストサイズ

人型ナビ

第4章 ドライブ②

「目的地に到着、しました。」
「お、ありがとう、香枝。」

あとは歩くだけだ。
急な上り坂だけど、香枝と一緒なら楽しい。

(しかし、これが「あの」香枝だったら・・)

古い香枝なら真っ先に言うだろう。

『30分も歩かなくちゃならないの? 冗談じゃないわ! なんで、そんなことをしなくちゃならないわけ? 私に疲れろって言うの? 嫌よ! 景色を見せたいなら、その景色をここに持ってきて!』

そう言って、俺が謝るまで文句の嵐になるだろう。
 それでいて、ショッピングだと何時間でも歩き続けるのだ。

「香枝は文句を言わないからな」
「文句? なん、です、か?」
「いや、いいんだよ。今のままの香枝がいいんだから」
「はい、カエは、可愛い。あ、は、は」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ