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人型ナビ

第1章 流行のナビ

1ヶ月も待って、ようやくのご対面。
早く会話がしたいのだが、
まずは設定があるだろうからな。
説明書を読まなくては。

「なになに・・?」

『この度はご購入誠にありがとうございます。
ナビゲータードール N-b235は、お客様のアンケートに基づいた人格、体形、外見となっております。
もし、アンケートとは異なる部位があった場合はお手数ではございますが、こちらにお問い合わせください。
お問い合わせ先:03-○○○○-××××』

「ああ、そういえば。アンケートに答えろとかあったな。それ通りになってるのか。どれどれ?」

彼女を包んでいる袋から彼女自身を取り出して、まじまじと見つめてみる。

「たしかに、あのアンケートと同じだな。体形も顔立ちも全く同じだ。あとは人格か。そこは起動しなきゃわかんないか。」

説明書に再度目を落す。
設定方法のところをよく読みこむためにだ。

「えーっと・・?」

『設定方法のご説明
ナビゲータードール N-b235の口頭説明にそって音声設定を行ってください。
起動させて設定を行ってください。
なお、起動の方法は以下の通りです。
① ナビゲータードールに、「起動開始」と声をかけてください。

② 約1分後、ナビゲータードールがあなたに話しかけます。

③設定がお済みでなければ、そのまま「設定開始」と声をかけてください。
また、再度設定しなおしたいときは「設定の変更開始」と声をかけてください。

④設定が完了しましたら、あなたとナビゲータードールとの楽しいドライブライフが始まります!』

「へぇ。なるほどね。」

読み終えてから彼女に目をやると、そこには裸の「まだ人形」で目を閉じている彼女がそこに横たわっているだけ。
まだ動く気配はない。

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