あなたに会うために、
第2章 いつもの日常
「神楽にいちゃ〜ん!樹ちゃ〜ん!」
神楽の神社の周辺でかくれんぼをして
遊んでいた私は、
なにかのひょうしに、
神社の裏の森の深い所まで来てしまった。
夕方でも森の中は鬱蒼と茂った
木々のせいで暗く、薄気味悪い。
ひくっ…ひくっ
あたりには自分の泣き声しかしない。
「神崎、にい、ちゃん…樹、ちゃん…」
泣きじゃくりながらいつも自分を
守ってくれる2人の名前を呼び続けた。
むちゃくちゃに歩き回り、泣き疲れたその時、
ぱっと開けた場所に出た。
「え…池?…湖?」
池と言うには大きすぎる、
湖のようなものが目の前に広がっていた。