あなたに会うために、
第2章 いつもの日常
「湖…?」
「あ、そうなの。湖があるんだよ、森の中に。
あたしも昔迷子になったとき初めて知ってさ。
樹は知ってた?」
樹と神楽にいちゃんは、小さい頃
男だけで探検だと言って、たびたび
私を置いて森の中に入っていた。
と、言っても小さな子供の足だし
そこまで奥には行ってなかったと思うけど。
「んー…」
少し考えこんでから樹が、
「そういえば、俺も今の今まで忘れてたけど…
小さい頃さ、神社の参拝客に聞いたことがあるんだよあの森のどこかに入っちゃ行けない土地があるって。」
「入っちゃ行けない土地?」
初めて聞く話しに私はきょとんとした。