あなたに会うために、
第2章 いつもの日常
「あ、ごめん。ひとり言!」
「ふーん、今日なんかぼーっとしてるな。
もしかして、体調悪いのか?」
そう言って
心配そうに顔を覗きこんでくる樹に、
「あ、違う違う、
なんか今日久々に昔の夢見ちゃってさ。」
「昔の夢?」
「うん…。
樹はさ、神楽にいちゃんの神社の
森の奥の方に祠があるの知ってる?」
「祠…? んー、知らない。
けどあってもおかしくないんじゃない?
あの森も神社の土地だろ?」
「んー、そうなんだけどね…
湖の所に建ってる祠なんだけど。」