あなたに会うために、
第2章 いつもの日常
「…な、なによー。
2人してじろじろ見てきてー。」
私がそう言うと
「べっつにー。何もねえよ!行くぞ!」
そう言って樹はスタスタと階段をのぼっていった。
そんな樹をきょとんと見上げていると、
「あーあ。行っちゃった。」
と、横で神楽が楽しそうに笑っている。
「ほんと、君たち2人は相変わらずだね。」
「うん、もう小さい頃からずっと一緒だしね。
樹とは神楽にいちゃん含め兄妹みたいだよ。」
「…うーん…それはちょっと樹が可哀想だけど…。」
「え?神楽にいちゃん何か言った?」
私が聞き返すと、
「いやいや、何も!
…おーい!樹ー!待てよ何1人で行ってんだよ〜!」
そう叫ぶと、前にいる樹に追いつくように
少しだけペースを早めた。