檻の中の女
第6章 信頼
詩織は涙を流しながら、
「信じられる…?
おばあちゃんは、私が孤立するように、
そうやって噂を流してたんだよ?
私、その時本当に悲しかった。
人から憎まれることがこんなにも辛いなんて思ってもなかった…。
おばあちゃんにとって、私の行動なんて関係ないんだよ。
私の存在そのものが憎しみでしかなかったの……。
私はそれからもずっと1人だったけど、
そんなこともう良かった。
それより、脇芽もふらずに勉強して、
高校は遠くに行きたかったの。
誰も私の知らない所に…。
お父さんが私のためにたくさん
お金を残していてくれたのを知ってたから、
そのお金で遠くに行って、
1人で1からやり直そうと思ったの。