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檻の中の女

第2章 310番





もちろん、

この施設のことや、自分の出生を話せば、
その時点で私の人生は終わる。
話した相手の人生も…恐らくは。



だから、学校に行っても、
私は偽りの私で居なければいけない。


だから、学校で名乗っている名前は
偽りでしかない。
偽りの名前で呼ばれ、
偽りの人を演じる。




それでも、



それでも、外にいられることが、
私は嬉しかった。






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