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病み✕つき

第6章 独占




「お待たせ。これしかなかったんたんだけど…お茶とかのがよかった?」

「全然!ありがと」



2リットルペットボトルのコーラとコップを持って天野君が戻ってきた。

ガラステーブルの脇に座るあたしの隣に来て、少し距離を取って天野君も座る。


変に気を使ってもらってるのがわか
天野君も緊張してる…?

ちょっぴり嬉しいような、寂しいような、複雑な気持ち


  
「ごめんね急に押しかけて」

「別に…
てか俺んちなんもなくて逆に悪い(笑)」

「ううん」



沈黙。ぎこちない空気が流れ、なぜか悲しくなる


こんなときゆうり先輩だったら…?


いちいちゆうり先輩が頭の中浮かんで、自分と比べてしまう



ぎゅっ…



あたしは天野君の肩に少し遠慮がちに抱き着いた。

驚いた様子の天野君。そんなの顔を見なくても分かる。



「江藤っ…?」

「江藤じゃない」

「…ごめん。らいむ…」



わざと拗ねたような言い方で、天野君の反応を伺うあたし



「…天野君、あたしのこと…好き…?」

「うん…好きだよ?」

「なら…ゆうり先輩と同じくしてよ」

「え?」

「ゆうり先輩にしたこと…全部あたしにもして」



必死だった。

このままじゃ天野君を盗られちゃう…



ゆうり先輩に勝ってる所なんか何一つない
思い出も、距離も、経験も



だからお願い、もっとあたしを見て…





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