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ワールドアパート

第4章 天才に挨拶

奥様は僕が大きな声を出しても全く微動だにしなくて

「あの子は昔、研究所で監視されてたのよ
でもね、あの子は逃げる気も死ぬ気もないの

研究所で無駄な資金を費やしながら
飼い殺す必要がないから
坂口が引き取ったのよ」

僕の聞きたかったことを
奥様が全て話して下さった

「先生が引きとったんですね」

「そうよ。
あの子はね、外には出せないわ。
あんな賢い子が地球上にいると知れたら
あの子は軍事転用されてしまうわ」


真面目な顔をする僕に奥様はまた笑いかけた

「なぜ逃げる気も死ぬ気もないのか気になるでしょ?」

「はい。」
僕は正直に答えた


「あなたは賢い人ね
坂口が気にいるだけのことはあるわ合格ね

気になることはあの子本人に聞くのが一番よ?
会ってらっしゃい…」


「はい」



気持ち穏やかに僕は管理人室を出た

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