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曖昧☆Bboys

第44章 バイバイ彰吾

「うん…」


手を出した私の手の平に二年間使われた合鍵は戻された。


本当に終わりと実感して胸にまた込み上げるものがあった。


しかし彰吾はそんな私を気に留めずスーツケースを持ち上げた。


「重っ」


重そうにスーツケースを持ち上げ階段を下りる。


「ちょっと、気をつけてよ」


カンカンカンとゆっくり階段は音を鳴らした。


私も後からゆっくり降りた。


駅までは一緒だ。


今日も暑くなりそうな青空の朝だった。


私は私の元から旅立つ彰吾の背中を見ながら、駅まで歩いた。




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