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ミラクル☆カレシ

第2章 大当たり!?

キャラを変えてる?
どういうことだろう・・。
なんで?なんのために?

「なんで?どういうこと?」
「言うと思った・・」
「聞かれたくないの?」
「いや、別に・・」
「・・?」

首をかしげて考えていると、ため息をついて、水瀬は話しだしてくれた。

「学校で眼鏡かけて地味に徹してるのは・・目立ちたくないからだよ」
「は?」
「顔ばっかみんなみてきて、付きまとうじゃん。誰も俺の内面なんか見てくれない。それなら地味になってれば誰も寄り付かないし、その方が気が楽だし。」
「・・いっぺん死んでからいってみろそれ」

ああ羨ましい!!
私なんか目立つために一生懸命なのに!!

「いやあ、無理だよね、死んだらさすがに」
「それいう!?」
「あはは、一人称を変えてるのもそれのせいだよ。地味で暗いやつは「俺」ってより「僕」でしょ。」
「なるほど、じゃあ今のあんたが素なの?」
「そう。ってか、あんたってのやめてよ」
「水瀬」
「えあ」
「くうき」
「はったおすぞ」
「すいませんでした」
「よろしい」


なんだ、こいつ・・こんなに面白いやつだったんだ。
なんか見直したかも。

「と、とりあえず・・。今日はありがとね!助かった!」
「・・なに、帰るの?」
「うん、長居しても迷惑かけちゃうし」
「・・頭上、注意」

ボソッと聞こえたそれはまるで何かの呪文のようにも聞こえた。
その一言で私の体がかたまって動けなくなるほど、その言葉が空っぽで恐ろしいもののように聞こえたのだ。

「なんでそれを」
「あれだけ騒いでたらわかる」
「・・それで?」
「それだけ」
「・・・何が言いたいの?」
「送ってってあげるよ。」
「あんた、車ないじゃん」
「チャリ」
「・・・2ケツ?」
「うん。」
「おまわりさんこいつです」
「また爆弾落ちるよ?」
「お願いします」


仕方ない、今回は従おう。
それで終わりなら何も問題ないしね。

「じゃ、私帰りたいから・・」
「え?夕飯食べてけば?」
「なんで?お母さんは?お父さんは?」
「帰ってこないよ」
「なんで・・?」
「母親は夜中まで帰ってこない。父親は外国にいる。」


・・・なんだかソウゼツだなぁ・・。

「わかった、作るよ」
「やったね」

ニカッと笑う彼に少しときめいたのは言うまでもない。

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