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溺愛禁止。

第15章 彼の音


「これからバイト?」


「あぁ、恋実ちゃんは?」



「私もこれから仕事…。」




私が答えると蓮君は少し考えた後




「方向どっち?」



と聞いてきた。



「…あっち…」




私が右側を指差すと




「じゃあ、途中まで一緒に行こっか?」



そう言って



また笑った。







私は嬉しさを隠しきれず


最近の中で一番の笑顔で頷いたと思う。









久し振りに歩く蓮君の隣は


居心地が良くて、楽しくて、


私の胸をきゅん、っとさせた。





こんな風に蓮君と歩けるのなら


キツい夜勤が続いても構わない…。

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