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溺愛禁止。

第17章 あの頃には戻れない

ただ、話したいことがあるとだけで
蓮君が来るとは言っていなかった。


だから私の隣に蓮君が居るのが見えた時、
健太は少し遠くの方で固まったのがわかった。


表情を曇らせながらも私達の向かいに来て
ドサッ、と乱暴に腰を下ろす。


彼は大きな溜め息を吐いた後




「バレたか…」



それが第一声だった。










この数日、ちょっとだけ…


昔の優しい健太を思い出して、ちょっとだけは…何かの間違いなんじゃないかって考えたこともあったけど


健太の一言で
悲しみと怒りが一瞬にして溢てきた。





それでも…


蓮君の表情が険しくなったのがわかったから



私は深呼吸をして、冷静にならなきゃと
自分に言い聞かせた。


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