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溺愛禁止。

第17章 あの頃には戻れない

遠くなっていく健太の背中を窓越しに見つめていると



蓮君の両手が私の顔に伸びてきて
グイっ、と彼の顔に向けられた。


「見過ぎ、もういいだろ?」



返事をする暇もなく蓮君は私の顔を固定したまま
唇を塞いだ。



!!!



こんな所で!!



「……んっ…や、」



周りに気付かれないように離れようとするけれど
それを楽しむかのように

キスをしながら蓮君の口角が上がったのがわかった。




抵抗は無駄なんだとおとなしく諦めた時
ようやく解放された。




「恋実の俺に対しての気持ちがすっげー伝わってきたからキスしたくてしょうがなかったんだ…。


アイツの前でするのはさすがに可哀想だと思ったからさ」



「もう…どうせ我慢するなら家に帰るまで我慢してよ~」



「や~だ」




や~だ、って子どもみたいで可愛い過ぎ…。






こうやって…


いつも彼は本気で怒る気を無くさせるんだ…。

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