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秘密の時間は私のもの

第18章 結局俺は

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この1週間。


颯太が俺に声を掛けようとしている気配を感じ取っては


とことん避け、とことん逃げてきた。


しかし、あの滝波からのそれは全くなくて


気持ち悪いと思いながらも



どうせあいつのことだ

そろそろ問い詰めに来る筈



なんて覚悟していたのだが



「ちょ.....ツーショット!」

「貴重すぎる.......」

「写メ写メ」



まさか.....



「藤塚亞だよな」



上野ご本人が直接会いに来るとは。


その隣をチラリと見、誰もいないことを確認。


それだけのことなのに、俺の胸中には安堵感が宿った。


にしても.....


まさに正々堂々。


初対面初会話の筈なのに、全くその様子を感じさせない。


その姿勢もまたモテる要因なんだろうな。


パシャパシャパシャパシャ.....



“滅多に会わないイケメンがツーショット”



その事実は女子の写真を撮る手に勢いをつけるようで。


シャッター音は止まることを知らない。

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