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秘密の時間は私のもの

第19章 提案




「お、おい。大丈夫か?言いたくないなら別に無理して」

「っるせぇ!変な心配すんな!!どうせ勘づいてんだろうが!俺があの場にいたこと!」



逆ギレ上等。


キッと上野を睨めば、上野は驚いたように目を丸くした。


今更何を驚くことが....と思っていればぼそりと放たれた言葉。



「あの場、って.....」



ぷちん



俺の中でそんな音が聞こえた。



こいつ、俺をおちょくるのもいい加減にしろよ....



こうなったらヤケだと大きく息を吸い、そして



「保健室d」

「っ!!!」



叫ぼうとした瞬間。


上野の顔は俺以上に赤くなり、上野はその場にしゃがみ込んだ。



「やっぱり......いたのかよぉ.....」



情けないその声にふと浮かんだ上野が“信じたくなかったこと”。


それは“あの場に人がいたこと”だったとしたら。



.....また、俺の勘違いかよ....!!



自分の暴走ぶりに呆れ果て、俺もまたその場にしゃがみ込んだのだった。

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