秘密の時間は私のもの
第22章 願望
「失礼しました....」
挨拶をし、出るは生徒指導室。
さすがに最後の授業まで無断欠席はまずかったらしく
きっちり反省文3枚提出を命じられた。
そもそも俺の意思でもないのに。
しかし、所詮俺は一般生徒の2位。
あいつは特進の優等生。
先生が
“俺が上野を連れ出した”
と考えるのは当たり前のことなのだろう。
とてつもなく下せんが
特進である上野は俺以上にたっぷり絞られてるみたいだし
それであいこにしようと思う。
それに、俺が1番下せんのはそれではない。
「........滝波....お前.....」
俺を待っていたかのように、生徒指導室の前に立つこいつ。
こいつの行動だ。
こいつは当たり前のように室内に入っていない。
なんでだ、なんて愚問で。
俺と違ってこいつには時間があった。
それなりの理由を先生に言う時間。
辛いだとかなんとか言えば女子ということもあり
先生は容易くオッケーを出すだろう。
颯太も呼ばれていないとこを見るに
おそらく付き添いは立川くんが、とかそういう下りがあったんだろう。
その点は褒めてつかわそう。