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秘密の時間は私のもの

第22章 願望

こんな状況なのに俺の中のプライドはまだ崩れないようで。


だけど、颯太はどうしても口で言って欲しいらしい。



ぴちゃ....



「ひぁ....」



耳のすぐそこ。


そんな音と湿り気を感じれば、颯太が俺の耳を舐めた様子。


俺は、颯太と違って耳は性感帯じゃない。


勝手に、触ったこともない癖にそう思っていたんだ。


でも、ついさっき言葉を耳元で囁かれ、密かにその自信は崩れていた。


颯太のこの行動はそれを察知したことなのか


それとも偶然か。


どちらにしろ....



ちゅぅちゅぅ.....じゅぅうう



「ん.....くっ.....ふ....」



責めすぎだ!!バカ野郎!!!



アレを触られる時とはまた違う快感。


アレの時が突き抜けるものなら、これはじわじわ侵食するものだ。


お陰で声が詰まるような感覚もこなくて


もどかしいし、自らのキモい声が耳障りだ。


よって、口を必死に塞いでいるわけだが。



「ね....気持ちいい?亞、言ってよ」

「んぐ、ぅ....」



耳元で.....っ....喋んなよ.....



でも....と過ぎる可能性。


もし、くだらないプライドを捨て、素直に言ったら


焦らすような手付きももどかしい快感も終わって


イけるようなものに変わるのだろうか。

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