秘密の時間は私のもの
第26章 忠告
決意したなら動くが男。
現在、昼休み。
右手に購買パンを持ち、立つは優等生組、教室前。
普通のクラスとは少し離れにあるここ。
お昼の一番お腹が空いてる時に
昼飯も食わず、そんなところに足を運んだのは、言うまでもない。
あいつを呼び出すためだ。
.......しかし、控えめに中を見渡すもその姿は確認できず。
「進学科の生徒だ」
「本当だ」
さっきから見えるのは
まるで珍しいものを見るかのように、通り過ぎる特進の生徒達のみ。
"珍しいもの"
なんだか変な言い方だが、これが一番しっくりくるのだ。
実際、日頃の学校生活で
俺ら進学科と特進の生徒が相見える機会は、無いに等しい。
見えるとしたら、登下校時の校門、玄関か
昼時の購買くらい?
よってお互いの間で友情はまず生まれない。
友情がないのにわざわざ会いに行くこともない。
それなのになぜ?ってなもんだろう。
"進学科の生徒"ねぇ...
完全に差別化してるもんなぁ....
だから、進学科と特進科の恋愛は上手くいかない。
自分を見下す
貴方(女)とは違うと線を引く
そんな彼氏/彼女を誰が好きになるだろうか。