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秘密の時間は私のもの

第27章 有言実行

俺だって腐っても男。


そういうのには今だって、心がワクワクするもんだ。


全身全霊の期待を込め、滝波を見る。


が、全てを汲み取った滝波からは



“んなわけないでしょ”



そんな意味が篭った目線が送られた。



「お昼、貴方が1組に向かうところを見たんですよ」

「.......それで?」

「それでって.....あとは芋づる式ですよ
貴方が1組に向かう→行く目的は上野くんに会う、しかない→
上野くんと言えば颯太くん→あー、なるほど。颯太くん関連なら挑発?
って感じで
恐らくあの上野くんなら、その挑発に乗るんだろうなーっと」



颯太関連で挑発に結びついたのは、よく分からんが


どんぴしゃだから悔し過ぎる。


俺の思考回路ってそんなに単純なんだろうか。


それともこいつの解釈力が凄まじいのか。


出来れば俺のダメージが少ない後者であって欲しいが


前者も最近の自分の行動で、否めないのが悔しい。



「......それにしても...」



何かを思い出したように、滝波の口から放たれたそれ。


独り言かと流そうと思ったが、滝波の視線はしっかり俺を捉えていて。


疑問に思って、首を少し傾げれば、うげっと言った顔をされた。

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