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秘密の時間は私のもの

第28章 初めて






“セフレを続けることが何故、立川のためか”



あぁ、そうだな。


お前の言っていた通り。


この問いは、考えずともすぐ分かる。


立川がそれを望んでいるからだ。


セックスに依存してる、とかそういう話じゃなくて


(そういう話も少しあるのかも、だが)


“親友”という名の元、立川は藤塚に離れてほしくないと思っている。



だったら、別にセックス要らなくね?



思うけど、藤塚が立川を無視していた1週間。


2人の触れ合いは、悲しい程にセックスだけなのだと実感した。


離れたくないだけなら、それをなくし


普通に話し、普通に遊んで、そんな日常を過ごせばいい。


だが、あの2人にとって、あれが“日常”で


“日常”が壊れる事程、人間、怖いことはないわけで。


よって、あいつの言っていることは、歪んでいるようで正しい。



そもそも“親友”ってなぁ....



藤塚の鈍感さも目に余るが、立川も相当だ。


自分の気持ちに気付かないのか


気付かない“ようにしている”のかは定かではないが。


まあ、そうは言っても、俺は後者として見ちゃってるけど。

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