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秘密の時間は私のもの

第28章 初めて

立川は必死に俺の頭に顔を埋め、声を抑えようと奮闘。


その漏れて当たる息も、俺を欲情させることを立川は知らないのだろう。



立川.....立川.....立川......



気持ちが溢れるだけ、心の中で名前を呼んで、呼んで、呼んで、、、


そして、一際大きな扱きと共に俺は自分の想いを


「颯太」





「好きだ」





ポツリと呟いた。



「ひぁ?!んんん!!!」



その瞬間、抑え切れなかった声と共に


俺の手に吐き出された立川の欲望。


荒い息遣いをする立川に、きっとその想いは届いてない。


切ないのになぜかホッとする俺。


こんな状況で言うべき言葉じゃない、と思ったからなのか


はたまた“あいつ”の顔が浮かんだからなのか。


どちらにしろ煮え切らない自分に腹が立つ。


先程まで興奮していたとは思えないほど


冷静にそんなことを考える自分に驚く。


考え事をしていてもしょうがないと、立川から体を離せば


見えたのは肩の上下が激しい立川。


顔は下げていて見えないが、きっと苦しいのだろう。


俺は、そんな立川を落ち着かせようと、自分の元へと引き寄せた。


さっきの想いはしっかりと立川に届いていて


立川が耳まで真っ赤にしてるなど、気付かぬまま。

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