秘密の時間は私のもの
第29章 相談
本当に珍しい。
目の前で、どこか落ち着きのない颯太を見て思う。
勉強をする生徒。
読書をする生徒。
終いに図書の先生とくれば、ここは紛れもなく図書室だ。
そんなとこにいるっていうだけでも珍しいのに
今、放課後ぞ?
颯太といつもハメハメしちゃってる時間ぞ?
あぁ、なるほど
時には気分を変えて、あの場所じゃないところで!
そういう感じ?ん?
そうであったら幾らか気分がいいのだろうが。
そんな雰囲気はゼロに等しい。
颯太から感じられるのは、恋バナな予感。
粗方、アイツ関連なのが容易に想像出来るのが非常にムカつく。
あの時、颯太はイかず終いだったわけで
それを手伝い、勢いで告白。
颯太はもちろん了承で、ゴールインってところだろうか。
それで今日は、その報告と惚気を聞かされる、と。
........ほーう?ふーん?
......と、ちょっと前の俺ならここまで考え
またまた無駄に怒りを募らせ終わるだろうが
流石の俺も学習した。
第1、そうだとしたら、ルール4が適用され
颯太がこうして俺に会いに来ることもないだろう。