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秘密の時間は私のもの

第29章 相談

お陰で、俺から颯太の顔は逸らされ、手は離れた。


頬が、冷たい空気にさらされることによって、冷静さを取り戻す。



「人の心配なんて、余裕だな?颯太
その調子なら、もっと激しくても良さそうだ、な!」



ぱちゅん!



「んんー!」



肌同士がぶつかる音。


それは、静かな空間に意外にも響いて。


これを規則的に続ければ、見付かるのも時間の問題かもしれない。


だけど、俺がし始めるのは


肌同士がぶつかることのない、上下運動と回転運動。


この行動を颯太は俺の優しさと思うだろうか。



「んぐぅ、う、うぅ、んぅ」



いや、思わないだろう。


なんていったって俺は、的確に颯太のイイところばかりを責めてるんだから。


肌同士がぶつかる音で見付かるより


自ら発した声で見付かる方が、何十倍も颯太を辱め


その恥ずかしさはそうさせた俺へと向けられる。



ほら、この方が嫌われるのに効率がいいだろう?



だから、違うんだ。


颯太に嫌われるのが嫌だ、とかそんなこと今更思ってないんだ。


思ってない。


思ってないから、どうか、どうか....



「んぐ、ぐ、ぐ」



ポツン......



ごりり!



「んーーーーー!!!!!」



びゅるる.....



どうか、お前の背中に零れた雫が何かなんて、考えないで。

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