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秘密の時間は私のもの

第31章 デート①

勇気をもらったそれに対しての返信を



『んなこと分かってるわ。ばーか』



とした俺よ。


場所も時間も、正直日付も分かってなかったくせに、何を分かっていたのか。


呆れたのか、イラついたのか、それに対しての返信は無くまさかの既読無視。


流石の俺もそれ見て、大人気なかったと反省。



したが、謝りはしなかったな.....



証拠に、俺が見詰める画面は確かに既読無視されている俺のメッセで終わっている。


謝るべきかどうか....いや、しかし、このタイミングで謝るのも....


うだうだ考えるが、思い浮かぶ文章は全て喧嘩腰で。


自分にそもそも謝る気は無いのだと悟り、画面を閉じる。


腕時計を再度確認し、10:00まで秒刻みと気付く。


慌てて見るは、目の前の服屋のウィンドウショーケース。



俺、変な格好してないよな?

気取ってないよな?

浮かれてないよな?



隈無く隅々まで、服装チェックをし、最後に笑顔を作ってみる。



大丈夫。笑えてる

その笑顔、キープだぞ。俺



そして、腕時計が10:00を示した時。


見えた見覚えのある姿に俺は、手を振ったのだった。

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